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退職金でのローン完済の是非


あなたはまとまった退職金が入ってきたら、「豪華客船飛鳥に乗って世界一周旅行をしたい」「ハワイに別荘を持ちたい」などといろいろと夢を描いているのではないでしょうか。



でも、現実問題としては、厳しいものが待っているものです。

住宅ローンにしても、完済している人よりも、いくらかでも残債のある人のほうが多く、残債のある人は、繰り上げ償還をすべきかどうか、選択を迫られるでしょう。

今まで重荷になっていた家のローンを、すべて精算してしまえば、気持ちもサッパリしてローンに追われた生活から脱却することができるかもしれませんが、必ずしも、ローンを全額返済するのが得策とばかりはいえません。

たとえば、退職金が2000万円近く入ったとして、その半分をローンの返済に充てれば、長年の重荷になっていた借金地獄から開放されるかもしれませんが、あなたの老後の緊急時のために残されたお金は1000万円しか残りません。

ローン返済に充てた1000万円は二度ともどってくることはないのです。

1000万円では、老後の生活資金としては何とも心もとないでしょう。

退職金が3000万円以上あるのなら、繰り上げ償還も考えても良いでしょうが、そうでなかったら、やはり現金は手元に置いているほうが、心は休まるのではないでしょうか。

また、退職後にまとまったお金を必要とするのは、ローンの返済だけでなく、老後も快適に住めるようにする持ち家のリフォームの問題もあります。

バリアフリーにしたり、風呂やトイレに暖房器具を備え付ける必要も出てくるでしょう。

リフォームに関しては、どれぐらい手を入れるかによって変わってきますが、あの人気のテレビ番組で紹介している「ビフォーアフター」などを見ていると、数百万円から1000万円程度はかかっているようです。

ほかにも、長期的な展望に立ってみると、退職金の使い道は広がるはずです。

・思い切って住み替えをする
・介護付き老人ホームの入居資金にあてる
・やっぱり夢の世界一周ははずせない

など、いろいろあるでしょう。

何にせよ、退職金をローン完済に充てることは、十分熟慮の上、決定しましょう。




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