定年退職後の年金で、健康で長生きする老後を送るには、体調管理と国民年金・厚生年金、相続・贈与の仕組みも知っておこう

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将来の住み方を変えたいのなら


★コンパクトマンションへの住み替え
ライフスタイルの変化に合わせて一戸建てや広いマンションから、一人暮らし、二人暮らしに最適なサイズのマンションに引っ越す、「暮らしのダウンサイジング」です。



退職後、足腰が弱ってきたときのことを考えると、掃除が楽で、階段ないコンパクトマンションは利便性が高いといえます。
買い物が便利な都会の駅近を選ぶか、緑豊かな郊外を選ぶかは価値観しだいですが、新たに購入するのであれば、まとまった資金が必要になります。
現在、社宅に住んでいたり、自宅のローンを完済している場合は、退職金で2000万円ぐらいの物件を一括購入するというのも方法です。自宅を賃貸に出せるのであれば、そこから月々得られる家賃をコンパクトマンション購入のローン返済に充てれば、実質的な住居費がかからずに済む場合もあります。
持ち家を賃貸物件にするには、民間の不動産会社に依頼するか、「移住・住み替え支援機構(JTI)」のマイホーム借り上げ制度を利用すると良いでしょう。

★高齢者専用賃貸住宅を借りる
高齢者だからという理由で賃貸住宅への入居が断られるケースが社会問題化したことから登場したのが、高齢者専用住宅です。
なかには、食事、入浴、掃除、緊急ボタンなど、老後生活をサポートするサービスがついている物件もありますが、サービス内容は、物件によってかなり違うので確認が必要です。
費用を抑えたローコストなものから高級有料老人ホームさながらのものまでさまざま。
コストを抑えたければ、都内より地方の物件を選ぶことになります。

★老人ホームに転居する
老後の住み替え、というと多くの人がイメージするのが老人ホーム。
高齢者が入居する施設を総称して「老人ホーム」と呼びますが、要介護度の高い人が入居する特別養護老人ホーム、入居一時金など費用が高くつきますが、設備やサービスが充実している有料老人ホームなどさまざまな種類があります。
特別養護老人ホームは、介護度が高くなった場合の選択肢として存在感がありますが、待機者が多いのが現実。
入居一時金が工面できない場合には、自宅の売却資金や退職金を有料老人ホームの入居費に充てるという方法もあります。
そのためにも、自宅にどれほどの資産価値があるのかをあらかじめ調べておくとプランが立てやすくなります。

★ケアハウス
60歳以上の自立した人を対象にした、食事、入浴付きの老人マンション。
排泄、洗濯など日常生活に支障はないが、身体機能が低下しつつあり、完全に独立した生活には不安を感じる高齢者を対象にしています。
65歳以上の要介護者を対象としたケアハウスもあります。
軽費老人ホームの一種で、公費助成があり、所得に応じて事務費が軽減されるため、資金にあまり余裕がなくても入居が可能なのが魅力です。

★小規模多機能型居宅介護を利用する
平成18年にスタートした地域密着型のサービスのひとつ。
「通い」「訪問」「泊り」の三つのサービスを24時間、柔軟に受けることができます。
定員25人以下で、施設には今などの共有スペースが設けられているため、孤独感もやわらぎます。
今までの住み慣れた地域を離れたくないけれど自宅での生活が難しくなった場合や、ひとり暮らしになった時が心配という人に向いています。

今はまだ元気なみなさんであれば、体に不自由を感じたり、移動がおっくうになったり、身の回りのことができなくなったりすることを想像するのは難しいでしょう。

でも、「年寄り笑うな、いつか行く道」という言葉があるように、長生きすればいつかは必ず、ご自身に変化を感じるときがくるはずです。そのときをイメージして布石を打っておけるかどうかで、マネープランの実現度は大きく左右されます。

たとえば、退職金で住宅ローンを完済してほどなく、子どもたちも独立してコンパクトマンションに引っ越したほうが暮らしやすい、という状況になることもあるでしょう。その場合、その2000万円、3000万円を住宅ローンの返済にではなく、コンパクトマンションの購入に充てるほうが結果的にロスも少ないはずです。

50代の今、やるべきは、漫然と思い描いてきた「老後」を明確化すること。なかでも住まいは大きな鍵を握っているといえるでしょう。




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