定年退職後の年金で、健康で長生きする老後を送るには、体調管理と国民年金・厚生年金、相続・贈与の仕組みも知っておこう

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B 「遺族年金」には条件により上乗せがある
C 重度の障害なら年額約97万円が支給


B 「遺族年金」には条件により上乗せがある

★ 公的年金加入者の遺族年金の種類

公的年金の加入者が亡くなった場合、遺族に支払われる遺族年金制度があり、公的年金の全加入者が対象の@「遺族基礎年金」、厚生年金の加入者が対象のA「遺族厚生年金」、国民年金の加入者が対象のB「寡婦年金」の3種類があります。

遺族基礎年金が支払われる条件は、死亡者の年金払込期間(免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あることで支給対象者は死亡者の「子どものいる」妻と子どもです。条件を満たせば、次の額が支給されます。

● 妻に対しては、子どもが18歳になるまで年額78万100円

● 子どもには、その子自身が18歳になるまで年額22万4,500円(障害年金の障害等級1・2級の子の場合は20歳になるまで)。第3子以降は7万4,800円


寡婦年金は、国民年金のみに加入していた第1号被保険者の夫が亡くなった妻に支給されます。婚姻期間が10年以上であった場合、妻に対して60歳から64歳までの期間、夫が生きていたら至急された老齢基礎年金の4分の3が支給されます。


★ 遺族厚生年金の妻の年収850万円未満が条件

厚生年金に加入中、もしくは25年以上加入している人が亡くなり、その妻の年収(夫の死亡前年の年収)が850万円未満の場合、遺族基礎年金に加え、遺族厚生年金が支払われます。

支給額は死亡した人の厚生年金の4分の3(したがって加入期間が少なければ減額)です。

遺族厚生年金には中高齢寡婦加算という制度もあり、加入期間の20年以上の厚生年金の加入者が亡くなって夫婦に18歳未満の子どもがいなければ、妻が65歳になるまで支給されます。



遺族基礎年金の受給額
遺族が妻と18歳未満の子ども(または20歳未満で
障害年金の障害等級1・2級の子ども)のとき
-- ------------ --
子(12歳) 死亡
78万100円 22万4,500円
100万4,600円が遺族に支給される

中高齢寡婦加算のしくみ
----
40歳以上で子どもが
いないか、遺族年金が
受給できなくなった場合
厚生年金の
加入期間が20年以上
40歳 中高齢寡婦加算(定額)
65歳 老齢基礎年金

C 重度の障害なら年額約97万円が支給

★ 障害の程度や子の有無などで支給額は変わる


公的年金には、老齢年金のほかに、病気(がんや糖尿病など、生活や仕事が制限される病気)や怪我で障害が生じたときに支給される「障害年金」があります。現役世代でも免除期間を含む保険料納付期間が加入期間の3分の2以上などの要件を満たせば、支給されます。

障害年金は、加入していた年金制度や障害の程度、配偶者・子どもの有無などによって、支給される年金の種類えよび支給額が異なります。

このうち、国民年金の被保険者が受けられるのが「障害基礎年金」。支給されるのは障害等級表の1級・2級に相当する障害がある期間で、支給額は1級の場合が年額97万5,125円、2級が年額78万100円です。

ただし、被保険者に子ども(18歳到達年度の末日までの間にある子、もしくは1級・2級の障害のある20歳未満の子)がいれば、その人数によって支給年金額は加算されます。加算額は、第1子と第2子はそれぞれ年額22万4,500円、第3子以降は年額7万4,800円です。


★ 軽度の障害でも受け取れる障害厚生年金

病気や怪我の初診日が厚生年金の加入期間中で、なおかつ障害基礎年金の1級・2級に該当する障害を負った際には、障害厚生年金が障害基礎年金に上乗せされます。

2級に該当しない軽度の障害なら3級の障害厚生年金が支給され、初診日から5年以内に病気や怪我が治り、軽い障害が残った際は障害手当金(一時金)が支給されます。

障害厚生年金には、加入月数300ヶ月(25年)の最低保障があるため、新入社員で障害を負っても、25年加入したと見なされ、年金額が算出されます。

障害年金を受給するための要件
障害基礎年金 受給資格 @ 被保険者であること
または
A 被保険者であった人で、日本国内に住んでいて、60歳以上65歳未満であること など 
医師の診断 障害等級1級
障害等級2級
  
障害厚生年金 受給資格 被保険者であること など
医師の診断 障害等級1級 
障害等級2級  
障害等級3級 

※ 障害等級1級(両上肢、両下肢に著しい障害があるなど)
※ 障害等級2級(片上肢、片下肢に著しい生涯があるなど)
※ 障害等級3級(両眼の矯正視力が0.1以下など)

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