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I 確定申告をすれば、還付が受けられることも ★ 年金とは別に所得があれば確定申告すべき 定年退職後のライフプランはさまざまです。会社からの退職金や保険会社からの生命保険の満期金といった、まとまったお金を受けとり、しばらくのんびり過ごす人もいるでしょうし、再就職やアルバイトなどで少しでも収入を得ようとする人も少なくないはずです。 退職後、再就職せずに年金を受け取りつつも、アルバイトなどをして収入を得ている場合、アルバイトの給与から所得税が源泉徴収されています(給与の金額が少ない場合は所得税がゼロの場合もあります)。そして年金も一定額を超えれば、公的年金等の雑所得として、所得税が源泉徴収されています。 また、生命保険会社の契約などによって、個人年金等を受け取っている場合も、雑所得として課税されています。これらの個人年金は、「受け取った年額」から必要経費である「支払った保険料」を差し引いた分が課税対象になります。 いずれの場合も、確定申告を行うことで正しい納税額が算出されるので、還付を受けられることがあります。 ★ 退職金を元手に事業を行う場合 退職後に独立・起業して個人事業主として、事業をはじめる人もいるかもしれません。 個人事業主は確定申告が必須ですが、決算を行った際に赤字になった場合は、退職所得の金額と損益通算できます。 赤字の金額分だけ、課税対象となる退職所得の金額が減少するので、税金の還付を受け取ることができます。 事業開始時は何かと経費がかさむので還付額も大きくなります。また、不動産所得の赤字も退職所得と損益通算できるケースもあります。
J 課税対象の一時所得が入ったときの対処 ★ 確定申告不要対象でも住民税申告はすべき 公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下の場合、確定申告は不要です(源泉徴収されない公的年金、外国の法令に基づく一定のものなどは除く)。 公的年金等に係る雑所得以外の所得とは、生命保険や共済などの契約によって支給される個人年金(その他の雑所得)や生命保険の満期金(一時所得)のことです。ただし、住民税の申告については、20万円以下の少額所得であっても申告が必要です。 また、退職前に契約した生命保険の満期金を受け取る場合も確定申告を行います。 生命保険の満期金は、保険料の支払人と満期金の受取人で徴収される税金の種類が異なります。保険料の支払人と満期金の受取人が違う場合、贈与税が徴収されますが、支払人と受取人が同じで保険期間が5年を超える場合、満期金は一時所得となり、所得税が徴収されます。この場合、確定申告が必要です。 満期金と支払った保険料の差額のうち、50万円は控除され、そのうち残りの差額の50%が課税対象です。 たとえば、毎月の保険料が2万円、契約期間が20年、満期金が500万円だとすると、保険料の支払い総額は480万円です。満期金との差額が20万円なので、この場合は課税対象にはなりません。 満期金は、満期一時金がそのまま入金されます。その後、保険会社から満期保険金に対して支払った保険料を記載した計算書が郵送されるので、この計算書と合わせて申告します。 また、この満期金が100万円を超えた場合、保険会社から税務署へ支払い調書が提出されます。
※ 注意 満期金の支払いが100万円を超えると、保険会社から税務署に支払い調書が提出される |
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