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退職後は自然体で相手に接することが大切です


人間は歳をとればとるほど、心に角が取れて丸くなるといわれていますが、現実にはそんなことはありません。逆に、歳を取るほど頑固になって人の言うことを素直に聞かなくなるものです。



その原因の一つに、現役時代にさまざまな人と仕事を通じて関係をもったため、相手の人柄や実力を見抜く訓練が自然にできあがっており、どうしてもまっすぐ相手をとらえることができず、相手を批判的に見てしまうのです。

たとえば、
「山登りのサークルにはいったのだが、○○さんは口うるさくて、どうもソリが合わない」とか「毎週決められた時間のサークルには遅れてくるし、山登りではいつも自分勝手な行動を取って探し回らなければならない。いったいどんな社会生活を送ってきたんだ」

などと、相手のことをいつも批判的でネガティブに見ていたら、自分自身が疲れてしまうし、「こんなことなら、ひとりのほうがずっとラクだ」と思うかもしれませんが、そんな思いは、退職後、しばらくの間だけです。

歳を重ねるにつれ、新たに知り合う人も減り、古い友人たちのなかには先立つ人もいるかもしれない。そうなってから悔やんでも時間を取り戻すことはできないのです。

リタイアすれば、知り合う人と競争意識も対抗意識も持つ必要はないのです。

ですから、自然体で相手に接することが大切で、仕事を離れたら、これまでとはまったく違う新たな人間関係を築く必要があります。


まだ柔軟な心を持っているうちに、周囲との間関係を構築しておきましょう。

昔から、「袖振り合うも多生の縁」という言葉があるように、縁があったからこそ知り合えたわけですから、相手のマイナス面ばかりを見ないで、プラス面を見て積極的なつき合いをしたほうがよほどいいです。

歳をとればとるほど、自分を完成した人間だと錯覚し、自分が作った心の土俵の中で一生懸命相撲をとっているのです。その相撲はあなたが作った土俵なのですから、必ず勝つのです。

それと同じように、相手も自分の土俵を持っており、その土俵の中で戦おうとしているのです。これではいつが経っても、相手に近づくことはできません。

少しでも、自分の土俵を広げ、相手の土俵も自分の土俵の中に入れてあげるようにすれば、さまざまな角度から相手を見ることができ、相手の素晴らしいところがいくらでも見えてくるでしょう。




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