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人に対する親切心は、人間関係をスムーズにするだけでなく、親密度も増し信頼関係もうまれてきます。 ただ、自分だけの思い込みの親切心、つまり相手に対する気配りや心遣いがないような親切心は、かつて「小さな親切、大きなお世話」とわれたように、逆に人間関係を遠ざけてしまうことだってあります。 親切心は、よくよく考えてしなければ、思わぬ落とし穴が待っているのです。 たとえば、相手と旅行の話をしていたとき、相手から、「このあいだ、家族でハワイ旅行をしたのですが、オアフ島なら日本語で十分通じたのですが、その他の島では、不便を感じましたので、英会話ぐらいはできないといけませんね」といった言葉がでたとします。 たまたま、あなたもヨーロッパ一周の旅を計画していたため、英会話スクールに通っていた場合、「じつはわたしも、ちょっと旅行しようかと思って、いま英会話に通っているんですよ」といった話になるのが自然の流れでしょう。 会話も、旅行風景や面白かった話題などを、とりとめもなく話すのなら、別に問題はないでしょうが、ふと親切心が頭をもたげて、「今度パンフレットを持ってきましょう。そうだ、体験システムもあるから、一度いらしてはいかがですか。来週の水曜日あたりいかがですか」とたたみかけたとしたら、どうでしょうか。 あなたは親切心の善意から言っているのは理解できますが、この会話では、相手の気持ちや都合を考えずに、一方的にそれを押しつけたような形になっており、明らかにありがた迷惑で、余計なおせっかいになっています。 これは親切心の大きな落とし穴です。 自分では相手のためを思って言っていると思い込んでいますが、相手の気持ちに対する配慮が欠けているのです。 しかも、やっかいなのが善意からでているだけに、言った本人も、相手の迷惑に気がつかないことが多いのです。 ですから、親切心はぐっとこらえて、相手が求めてくるまでは、控えるのが良いのです。 ここでのケースなら、「英会話はいいですよ。もし、英会話に通ってみたい気持ちになったら、いつでも声をかけてください。私の通っているところを紹介しますから」と、あっさりと言っておけば良いのです。 相手から求めてくるまでは、控えめにして、相手が本当に求めてきたときに、しっかりと親切心を出しましょう。 |
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