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会社勤務者にとって一番大きな大金を手に入れるチャンスは、なんといっても退職金であり、そういう大金が手に入るときには、心もワクワクしたり緊張したりするものです。 何千万という退職金が実際に自分の銀行口座に振り込まれると、いろいろな証券会社や銀行から投資や預金のお誘いがあり、それらの誘い文句を聞いているうちに、もっと殖やしてやろうという色気が出てくるものです。 そして、最後は、振り込め詐欺と同じような結果になる人が後を絶ちません。 退職金を手に入れたときは、老後の生活は唯一頼るべきお金で大切に使わなければと思っていても、世間には、「先物取引なら株よりも利益が大きい」「未公開株なら買ってすぐに売るだけで大儲けできる」などといううまい話にのせられて、せっかくの虎の子の大半を失ってしまったという人がたくさんいます。 こういう人は、せっかく手に入れた大金を失ったため、その後の老後の生活設計に狂いが生じ、ストレスからうつ病になる人も少なくありません。 「そんな話には、最初から乗らないよ」と強い信念がある人なら、間違いがないかもしれませんが、人間は、得てして色欲と金銭欲には弱いもので、そういう誘惑があると、つい手を出してしまうところがあるのです。 それも最初は、退職金のほんの一部だけを使って、株をはじめてみたりするのです。 それだけなら、老後の楽しみになる程度で問題はないのですが、一番厄介なのは、少し負けてしまったケースです。 現役時代に少しでも経験をしておれば対応の仕方も知っているでしょうが、退職後、生まれてはじめて株を始めたような人は、ちょっとした損でも気が病んでしまい、それを取り返そうと、今度は、以前よりも大きな取引をするようになります。それが地獄の始まりなのです。 また、少し利益を得た場合も同じで、こんなに簡単に勝てるのなら、もっと大きく殖やそうとして、以前より大きな金額で株の売買を始めるようになり、そして最後の行き先はやはり地獄の門を叩いてしまうのです。 お金儲けというのは、証券会社や投資信託銀行のプロでも負けることが当たり前なのですから、ズブの素人が勝てるわけはないのです。 ですから、一般のサラリーマンの場合の老後の生活は、今の資産状況の中で楽しみを見つける努力をすることが大切なのです。
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