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現役時代は、誰でも多少の見栄はあるもので、飲みに行っても奢ってあげることもあったでしょうし、正月に親戚の子どもが来たらお年玉をはずんだこともあったでしょう。 それが退職すると、かつての同僚などと食事をしても、お互いに見栄をはらなくなりますが、それは同じ定年退職を迎えた者同士なら、それほど気遣いはいらなくなるからです。 かつては奢ったり奢られたりした仲間も、みんな年金暮らしであることを知っているから、当然ワリカンであると暗黙の了解があるのです。 もう見栄を張っている場合じゃないという共通認識があるから、飲み会の支払も、いたってスムーズになってくるし、飲み会の集合場所もかつての料亭風の飲み屋さんから手ごろな居酒屋さんに移しても、誰も異議は唱えなくなります。 それこそ大人のつきあいです。 しかし、親戚関係のつき合いになると、ちょっと複雑になり、そのうえ、あなたが独身で人生を歩んできたのなら、なおさらでしょう。 なぜなら、自分の兄弟の甥や姪が来れば、お小遣いをそのたびに上げていたでしょうし、入学式や卒業式にも何かしらのプレゼントをしていたはずです。 正月になれば、甥や姪にとっては、気前のいいおじさんだと思っていたでしょうが、彼らもすでに立派に成長しているはずです。 いつまでも気前のよさを見せる必要などありません。 独身の人は、結婚祝いも出産祝いも出て行くだけで、自分に戻ってくることはなかったはずです。 少し不公平だと思ったかもしれませんが、人間関係は、そんなものではないと心の底で思っていたからこそ、そのときどきで、いろいろとやってこられたのですから、これまでのことを、損得で考えることは間違いです。 ただ、これからは、あなたのためにお金を使う年齢に来たのですから、もうこれからはたとえ親戚であっても気前よくする必要はありません。 見栄は捨てて、自分の幸せのためにお金を使いましょう。
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