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★ 個人年金保険は年金不安を解消する 公的年金だけでは心もとないため、自前で年金を用意することを考える人も少なくないでしょう。そこで思い浮かぶのが民間生命保険会社の「個人年金保険」です。 ところが、その内容を理解している人は多くありません。個人年金保険には、大きく分けて「定額」と「変額」がありますが、似て非なる商品なので注意が必要です。 「定額年金保険」は、加入時に払い込む保険料と将来受け取る年金が確定しており、契約時の予定利率で運用される、安心確実な預貯金に近い商品です。 ただし、超低金利が続いているため、預貯金に毛が生えた程度の利息しかつきません。なお、現在は「個人年金保険」のほとんどが、この定額年金保険です。 その性質を考えると、わざわざ定額年金保険に入らず、年金保険料と同額を預金しておき、将来、その預金から必要に応じて引き出すほうが自由にお金を使えて便利かもしれません。 一方の「変額年金保険(投資型年金保険)」は、実質「投資信託」のような金融商品です。保険会社がリストアップする数種類の投信から選び運用します。 払い込んだお金を一定期間運用したあと、年金の原資となって返ってくるしくみですが、運用成績が上がれば将来の受取額は増え、うまくいかなければ大きく損をします。 老後資金が減る可能性がある点は気になりますし、投信を直接購入するなら、4,000以上の銘柄から選べるうえ、保険料に含まれる保険会社への手数料を払う必要もありません。 とくにNISA(少額投資非課税制度。毎年120万円まで5年の期間であれば非課税となる)が始まり、証券会社などが投信の買付手数料の無料キャンペーンを実施するなど、低コストで買える環境が整ってきています。保険会社も投信を買うときには数%の買付手数料を払うので、直接投信を買ったほうが得な場合もあるのです。 定額年金保険は「保険」の昨日もありますが、死亡時は払い込んだ額が保険金として戻る程度。保険機能を期待して入るものではなさそうです。保険会社は「年金不安」をキーワードに個人年金保険を勧めるかもしれませんが、冷静な判断が必要です。
※ 定年後に公的年金が支給されるまでの期間を補う目的で加入ケースが多く、給付開始年齢を60歳にする場合が多くなっている。
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