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★ 手数料と為替リスクでリスクは高い 米国の「ドル」や「ユーロ」など、外国の通貨で預金するのが「外貨預金」です。預ける通貨が変わるだけで「円預金」と基本的なしくみはほぼ同じですが、円預金と外貨預金の大きな違いは3つあります。 1つは、日本円⇒外貨、外貨⇒日本円に交換する際、為替手数料がかかることです。米ドルなら1米ドルにつき9銭から1円の為替手数料がかかります。 たとえば、為替レートが1米ドル=100円で、1米ドルにつき1円の為替手数料がかかるなら、1米ドル=101円で購入して預け入れます。逆に米ドル預金を解約して日本円にする場合は、1米ドル=99円で売却できます。つまり、為替変動がなくても為替手数料分の損失が必ず発生します。 2つ目は、外貨預金は為替リスクが伴うため元本保証がない点です。預金ですから、外貨ベースの元本は保証されています。しかし、私たち日本人は外貨を日本円に換える必要があります。為替レートは絶えず変動しますから、その変動によって損得が出てきます。 具体的には預け入れ時の為替レートよりも円高になれば損失、円安になれば利益が発生します。外貨は、外貨が安い(つまり円高)ときに買って、外貨が高い(つまり円安)ときに売るのが鉄則です。 たとえば、1米ドル=100円で預け、110円のときに日本円に戻せば10円の利益を得、逆に90円のときに日本円に戻せば10円の損をしてしまいます。 3つ目の違いは金利です。 2017年2月現在、日本円の預金金利は世界最低水準です。一方、オーストラレアドルの1年もの定期預金なら1.5%、ニュージーランドドルなら2%、南アフリカランドにいたっては同6%と高い金利で預けることが可能です。「6%超の金利」と聞くと、すぐにでも預けたくなるかもしれませんが、注意が必要です。 円高になれば、あっという間に金利分以上の損失が出て島います。また「6%の高金利(ハイリターン)」は、すなわちリスクも高いことを意味します。ここでもハイリスク・ハイリターンの法則を忘れてはいけません。 外貨預金は「預金」ではなく、外貨を安く買って、高く売る金融商品と考えたほうが、その実態に近いといってもいいでしょう。 なお、外貨預金は預金保険制度の対象ではない点に留意することも大切です。
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