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定年退職すれば、将来のお金の蓄えを準備して、自分の生活を楽しむことが大切ですが、それ以上に妻や子どもの生活のことも十分考えておかなければなりません。 自分が浮世の世界からグッバイするときには、極楽トンボのままあの世に行くのではなく、自分の財産をどのように分配するのかの意思表明をしっかりしておくのが、現世での勤めで、それが遺言書というものです。 遺言を残すような人は、資産家だろうと思っているかもしれませんが、相続はお金持ちであろうと、そうでなかったとしても、すべての人に関係するもの、人は死ねば平等に相続の問題に関わってくるのです。 財産の多い、少ないに関わらず、土地建物、預貯金、株式、投資信託など、何を誰に渡すのかの指示がはっきりしないと、遺された家族が困るし、もめ事の火種になる可能性だってあります。世間には、少ない遺産を巡って、殺人事件まで起こっているではありませんか。 ですから、相続以前の問題として、まず自分の財産なり資産がどっなっているのかを、あなた自身が把握しておき、きっちりと整理しておき、誰にでも分かるようにしておくことが必要です。 そうじゃないと、遺された関係者は、あなたの財産の把握から始めなければならず、大変な作業になることが予想されるだけでなく、あなたが加入している保険などは請求しないまま放置されてしまうことだってあります。関係者はあなたの財産を把握するだけに時間をとられてしまい、その結果、相続手続きにムダな時間を浪費してしまいます。 そういったことを防ぐためにも、まず、遺言書の前段階として「財産目録」を作りましょう。自分の資産を洗い出し、書き出すのです。特に決まった形式はないので、箇条書きでも、表でも、内容が分かれば大丈夫です。 ここには、不動産、預貯金、投資信託などのほか、ローンなどの負債についても書き出してください。開設済みの銀行口座、証券口座についても羅列しておくと親切です。 負債については人に知られたくないかもしれませんが、相続には資産だけでなく、負債にも及んできますので、うっかりあなたの財産を引き継いだものの、後で多額の負債が発見されて、相続人に迷惑がかかることがあります。 だからこそ、相続人を「知らなかった」と慌てさせる無責任な最期は避けなければならないのです。 |
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