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はじめて知ったのですが、「生き甲斐症候群」という心の病があるそうです。 定年退職したとたん、人生の目標と目的を失ってしまって、生き甲斐そのものを見つけることができず、将来の老後生活に不安を持ったり、あるいは精神のバランスを崩してしまことがあるようです。 それが発展すると、自分自身が情けなくなって、「うつ病」になったり、アルコールに依存したり、あるいはギャンブルにのめりこんでしまって、立ち直れなくなるようです。 こういう人は、おそらく現役時代に遊び心を忘れて、仕事一筋で出世競争を勝ち抜いてきた人であり、出世そのものが夢であり目的であり、生き甲斐になっていたのではないでしょうか。 そして、定年を迎える年齢になって、やがて部下や同僚からも見放されるようになり、そしてある日、「自分は何のために生きてきたのか」と自問自答し、その答えが出ないため、人生をむなしく感じるようになるのです。 退職すると、急にボランティア活動に参加したり、スポーツクラブや趣味の愛好会に参加する人がいますが、仕事では常に目標を持って突き進んできたために、自分が何もしていないことに焦りを感じるのでしょう。 身近にいるリタイアした人たちが、周辺の草刈をボランティアでやっていたり、あるいは自治会の役員として忙しくしていると、自分だけ目標もなく何もしていないということに現役時代の自信を失い、さらに生き甲斐まで無くなったように錯覚して、最後は自己否定することで、「うつ病」を発症してしまうのです。 しかし、「生き甲斐」とはなんでしょう。 生き甲斐は見つけるようなものでなく、また見つける必要もないのです。 自然体で生きていればよく、スポーツをしたくなったらスポーツをし、酒を飲みたくなったら酒を飲み、昼寝をしたくなったら昼寝をすれば良いのです。 まずは「〜しなければならない」という自ら縛っている心を解放することです。 確かに、退職してから、子どものときに描いていた夢を実現するために、新しい分野に挑戦したりする人もいるでしょう。それはそれで立派なことですが、それと生き甲斐とは関係ありません。 たとえ毎日、平凡に過ぎていたとしても、何もないことに幸せを感じているならば、それこそが生き甲斐になるのではないでしょうか。 子どもや孫の成長、家族の団欒、新しい趣味を始めたこと、友人との交流だって、立派な生き甲斐になっているはずです。自分で気がついていないだけです。 |
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