|
日々喧騒とした都会で暮らしている人から見れば、田舎暮らしは、まさに理想郷に映るのでしょうか。 リタイア後には、住み慣れた都会を捨てて、第二の人生を「田舎でのんびりと悠々自適の生活をしよう」と夢に描いている人は意外に多いようです。 しかし、交通手段や利便性などの問題など、当初から予想されているとはいえ、現実に住んでみると、やはり永住するのは難しさがあります。 田舎暮らしをしたいという基本的な考えは、自然に触れ合いたいという願望からきているわけですから、何も大きなストレスを抱えるようなことはしなくても、身近にいくらでも体験できます。 今、あなたが住んでいる環境の中でも可能で、マンション住まいならプランター菜園を始めてみるのもよく、庭付きの家をお持ちなら、庭の一角を畑にしてみるのもいいでしょう。 ミニトマトやサラダ菜、ハツカダイコンなどの野菜なら、プランターが2、3個もあれば、夫婦二人ぐらいの暮らしには十分なくらいの収穫も楽しめます。 プランターの土にタネを蒔いておけば、土から緑の芽が芽生え、やがて瑞々しい双葉となって命の鼓動が聞こえてきます。 それだけでも、心が新鮮さを取り戻すだけでなく、命の大切さも知って、すがすがして気持ちになっている自分に気づいたりします。 また、最近では、畑を貸し出しているところもあり、そこでは、いろいろな野菜の栽培方法や田植えの仕方まで教えてくれる人がいるようです。 何を育てるかは、もちろん自由ですが、どうせ育てるのなら、苗を植えるのではなく、種から育てるのがいいでしょう。 土のなかから小さな芽を出し、「そろそろ色づいてきた・・・」「虫に食われているが、なんとか元気」「食べごろはもう少しだ」 日々育っていく健気な姿に、命の営みの素晴らしさを教えてくれ、自分も大自然の一員であることを実感することが大切です。 何も、野菜の収穫だけを目的にするようなことはなく、失敗すれば、次の年には水遣りや肥料はこうしよう、ああしようと、考えればいいだけです。 時間は生命の営みとともに流れており、ゆったりしたものです。現役時代は、あくせくしてそんなことすら気づかなったでしょうが、大きな自然の流れを感じることができるようになれば、これから過ごす時間はもっと豊かになるでしょう。 |
|
||||