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子どもとは「つかず離れず」でいい関係を保とう


子どもが独立して夫婦二人になったときには、お互いに労わって助け合いながら、「お前百まで、わしゃ九十九まで」といわれるようになるまで、老後を楽しく暮らしたいと誰でも考えているでしょう。



しかし、仲の良い夫婦であろうとなかろうと、いっしょにあの世に行くことはできず、どちらかが先立って、夫婦のいずれかが残されてしまうのはしかたないことです。

残された人が自分の家で身の回りのことがひとりでできる間は良いでしょうが、いずれは体力的に無理がきかなくなることもあり、それをきっかけに子どもから同居の誘いがあったりするものです。

寂しさもまぎれるし、生活面での不安も解消され、まさに渡りに舟という感じですが、実際は難問が山積しているのです。

第一に、住み慣れて地域を離れる場合、長年にわたって築いてきた人間関係は失ってしまうし、環境も一変します。若い頃なら新しく人間関係を築くことはそれほど苦にならないでしょうが、歳がいってからは大変です。

一戸建てから子ども夫婦のマンションに引っ越すということになれば、自分の生活スペースもはるかに小さなものになり、荷物もかなり処分する必要があるかもしれません。

食事も自分の好みを主張するわけにはいかず、それまで朝食は味噌汁とご飯が主であったものが、パン食に変わったりすることも考えられ、食生活の変化は体にとって負担が大きくなります。

さらに、息子の嫁さんに世話になるとすれば、お互いが遠慮して気詰まりになるし、息子夫婦の生活にペースを合わせるとなると、これまで自由にのびのびと生活していたのに、180度生活ペースが変わってきます。

こうした問題を考えると、同居はよほど熟慮して決めるべきではないでしょうか。

家事サポート付きの高齢者用住宅のほうがゆったり暮らせるということもあるのです。





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