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人間定年になっていちばん寂しいのは、同僚や仲間がいなくなったことで、コミュニケーションをとる相手が妻と子供だけになったということだそうです。 定年にもなれば、よく大学や高校のときの同窓会が開かれることが多いものですが、これなども話し相手が欲しいことが原因の一つのようです。 現役時代には、会社では同僚や部下とそれなりに飲み仲間ができていたのに、退職後に急に話し相手がいなくなったのは、彼らが友人をないがしろにしていたわけではありません。 それは同年代の友人が多かったために、自分が定年退職を迎えたのと同時期に彼らも定年退職していったため、お互いに家からあまり出なくなったのが原因なのです。 定年を意識せずに迎えてしまいますと、退職後は無意識のうちに日々が去り、そして次第に自分はひとりぼっちだということが意識されるようになり、そして最後には家から一歩も出ることせず、暗い人生になってしまうのです。 それでも平凡に暮らしているあいだはいいでしょうが、年金は次第に減少していくのに、寿命は年金に反比例して段々と延びているのです。 昭和の時代なら、退職して5年ぐらいで寿命が来る人が多かったため、老後の心配などしなくてもそれほど差し迫った問題ではなかったのですが、今では自分の人生の終末までどのようにお金を工面して生き延びていくかを心配しなくてはなりません。 ですから、現在退職している人は、退職金も徐々に減っていき、将来の不安のために人生設計の軌道修正を毎年強いられているのです。 老後にお金がないということ、とくに年金だけで生活し、自分でお金を稼ぐ能力が全くないという人ほど恐怖心を強く抱いてしまうのです。 定年退職したころは「自分と妻だけが生活できるゆとりがあればいい」と思っているかもしれませんが、長生きするということは、子供の心配や孫の心配をすることも大くなり、節目ごとには、子供の家のローンの援助とか、孫の入学祝や就職祝いなどの思わぬ出費も多大なものになってくるのです。 定年退職後、平凡で当たり前の生活が毎日続くというのは大きな間違いで、10年先や20年先には、どうなっているかわかりません。 ですから、40代や50代のときから、退職して死ぬまでの計画をしっかり立てて、少しでもお金を稼ぐ手段を考えておくのが賢明です。 |
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