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昔、退職後、奥さんにぴったり寄り添うという意味で「濡れ落ち葉」という言葉がはやりましたが、ふつうの男性は、定年退職後は、妻を頼りにするものです。 妻も、今まで忙しく働いて家でゆっくり過ごしたことがない夫が、やっと会社から開放されたということで、夫を誘ってはホテルで食事をしたり、二人でスポーツジムに通ったりするものです。 これは当然のことで、夫がやっと妻のもとに帰ってきたのですから、自分も甘えたいし、夫ものんびりしたいと思うものです。 こんな生活も、定年退職後はあこがれるものですが、もしこんな生活がずっと続いたらどうでしょう。 確かに平凡な生活こそ、心も休まり精神的にも安定した気持ちを保つことができるでしょうが、いつまでも妻のあとをぴったりと寄り添って歩くようなことになれば、一気に老け込むことは間違いありません。 なぜなら、日々の生活にまったく緊張感がなくなるからです。 現役時代は、アンテナを四方八方に張って時代の先を読もうとしたり、あるいは部下を叱咤激励して営業成績を伸ばそうと考えたりしていたはずです。たとえそういう立場でなくても毎日会社に出かけて神経をすり減らしたり、あるいは、いやな飲み会にも出かけるなど、いろいろと気を使うこともあって常に頭を回転させていたはずです。 会社ではいつも事業の説明をしたり、上司への説得に頭を使っていたはずですが、妻との会話はどうでしょう。 ほとんどが一方的に妻がしゃべって、あなたは「あ、そう」「わかった」という言葉でほとんどが完結してしまい、何かを考えて頭を働かせることなどなくなってしまいます。 他人と会話をすることは、研ぎ澄まされた神経を要求されますが、妻との会話ではうなずくだけで妻の一方的なおしゃべりで終わってしまうだけです。 これでは会話能力はあっという間に落ちてしまい、それと同時に思考能力も低下して、老化が急速にやってくるのです。 ある調査では、認知症になる確率は、夫婦二人で仲良く生活している男に多いといわれています。 こうならないためにも、カルチャー教室に通うなど自己啓発に努めると同時に、ひとりで行動する機会を増やすことが大切です。 奥さんと仲がいいのもほどほどが良いようですね。 |
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