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高齢者が仲間と集まって居酒屋でガヤガヤと一杯やっている人を見かけますが、いつものパターンで昔の同じ出来事をエンドレステープのように何度も何度も繰り返し話していることがありませんか。 そして、「最近の若い者の考え方はまったくわからん」と言いながら、昔を懐かしんで「昔は良かったなあ」と話しているのです。 たしかに現役時代にはボーナスもあったでしょうし、それなりの役職にもついていたから、昔は良かったと思っているだけではないでしょうか。 いまが面白くないから、昔のことしか記憶がたどれないのではないでしょうか。 言い換えれば、高齢者は新しい時代に適応できなくなっているため、いまを楽しむことができないだけなのです。 過去を懐かしんで、昔の栄光にすがって生きるのも悪いとは言いませんが、その人の人生はこの先何年生きようと生きる屍のままなのです。 昔は良かったというのもいいでしょうが、いまも人生は楽しいと思えるような生き方もあるのではないでしょうか。 人間は生きている限り、時間は留まることなく流れて無常の風が時折吹いて来ることはありますが、どんな風が吹いてもそこから学ぶべきものがあり、そして最期のときを迎えるまで人間の魂は磨かれ精神的に進歩しようとしているのです。 ですから、どんな年齢であっても、あるいはどんな境遇にあっても、みんな学習をしているのです。 「昔は良かった」とだけ言って、それで終わってしまうような人は、時代の変化に対応して、自ら学ぼうとしたり、新しい経験をしようとする姿勢がなくなっているのです。 いまさら学ぶなんてと思われる方もいらっしゃるかもしれません。 しかし「昔は良かった」と感じた時期は、仕事を通じた知識、会社での人間関係などからいろいろなことを学び、生きるための知恵を授かったはずです。 学ぶことは、単に本を読んだり、勉強をすることだけで得るものではありません 仲間といっしょに酒を飲み、あるいは山登りやテニスをしたり、また趣味を楽しむなかで、いろいろな「気づき」があって学ぶことができ、そして深みのある人生哲学が磨かれていくのです。 ですから、「昔は良かった」という前に、新しい環境にどんどんチャレンジして、これまで以上の経験と学びを得て、充実した前向きの人生にしたいものです。 |
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