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老後になって経済的に豊かな暮らしでなくても、心が豊かになる生き方をしている人があります。 その人は、生活を楽しむ方法を知っているのです。 誰にでもこだわりはあるもので、自分が人生でいちばんこだわっていることに、お金を使って贅沢な気分に浸ることです。 どれもこれも贅沢にすることはできませんが、これだけは譲れないというものに、一点豪華主義を貫くのです。 夫婦二人で、こんな生活はどうだろう。 午後のひととき、ブルーマウンテン産のコーヒー豆をミルでゆっくりと挽きながら、サイフォンでおいしいコーヒーを作り、それを二人で飲みながら、人生を語り合うのもいいでしょう。 コーヒーカップは、かつて王室御用達ブランドだったロイヤルコペンハーゲンのカップでコーヒー一杯を味わったら、どんなにすばらしいでしょう。 とりわけ食器類に凝っているというわけではなく、家にある高級品はこのカップひとつだけであっても、コーヒーを楽しむひとときは、かけがえのない、ゆったりした時間をもたらしてくれます。 同じコーヒーであっても、100円ショップのカップでは絶対に味わえない生活の潤いです。 こうした「一点豪華主義」は、老後の生活を心豊かにしてくれる貴重なヒントといえそうです。 ウィスキーが好きなら、夜のひとときに、銘柄のウィスキーを氷の入ったグラスに注ぎ、じっくりと味わってみる、音楽が好きなら、部屋の四隅に高級なスピーカーをセットして、ジャズやクラシックを堪能してみる、風呂が好きなら高級感溢れる大理石の風呂にしてみるのもいいでしょう。 自分の趣向や趣味にこだわって、ひとつだけ豪華なモノを生活に取り入れると、生活は華やいだものになること間違いありません。 贅沢には違いありませんが、限られたお金のなかで、一点だけなら、それほどの負担になることはないでしょう。 たとえ、多少の負担になったとしても、精神的に得られるものは、それよりずっと大きいはずです。 |
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